傲慢な神様×強気な巫女

こだわりコースより御依頼

頂いたご依頼内容
呼び出された巫女が嫌々ながらも流されSEX

「おお、出雲。遅かったな」

ほとんど朽ちかけた社の木扉を開いたその瞬間、出雲の視界に飛び込んできたのは常ならば身に着けているはずの煌びやかな衣装を脱ぎ捨て、裸同然の姿で床板に横たわっている大神の姿であった。
その姿勢は実に横柄で、図々しい事この上ない。しかし――その尊大な態度は決して虚勢などではなく、彼自身が持つ力の大きさを強烈に示しており、この男は腐っても世を統べる神なのだと嫌でも思い知らされた。

「……帰らせて頂くわ」

が、しかし。神に師事する巫女という身の上を加味しても、この男と関り合いになるのは得策ではない。ましてや、全知全能の神でありながら深夜に突然こちらを呼びつけ、その煩悩と下心を隠そうともしない生臭者だ。いちいち相手にしていたら、こちらの身が持たないと出雲は踵を返したのだが――。

「まあ、折角ここまで来たんだ。ゆっくりしていけよ」

瞬間、彼の掌から放たれた光の帯に全身を絡めとられ、出雲は肉体の自由を失った。抵抗する間もなく、否――自身に何が起こったのかを把握する隙すら与えられぬまま、気が付けば出雲の身体は古い床板の上へと組み敷かれてしまっていた。
その逞しい両腕の檻の中、こちらを閉じ込めたことに満足しているらしい大神はにやりとその形良い口端を歪めると、出雲の同意を得る事もないまま、何の前触れも予感もない唐突な口付けの雨を鬱陶しく降らせ始める。

「ちょっと、やめて……! 私は、貴方とこのような事をする為に此処へ来たわけじゃないのよ……っ」

無駄だとは自覚しつつも出雲は小さく身を捩りながら、大神の身勝手な要求に同意した覚えはないと言葉で突き放した。が、それを素直に聞き入れる男ではないという事も、承知の上である。
しかし、抗わずにはいられなかったのだ。自らが望んだものをすべて手に入れられると信じて疑わないこの横柄な神に対して、思い通りにならない事もあるのだと示してやりたかった。

「悪いけど、貴方の夜伽をするつもりはないの。誰か他をあたって頂戴。その気になれば、幾らでも見繕えるでしょう?」

きっぱりと言い放ったものの、相変わらず男の表情にはいけ好かない微笑が浮かべられたままで、堪えている様子など全くない。
それどころか大神は、濡れた唇を出雲の耳元に寄せ、殊更に甘い声音で反吐が出るような生温い愛を囁いてみせたのである。

「他の誰かをあたれ、だと? そんな事、誰がするものか。俺は、お前だけを求めているのに。お前でなければ俺を満たせやしない。今までにも散々、それをこの身体に教え込んだだろう? なあ、出雲――」
言いながら、大神の熱っぽい指先が袴の裾から潜り込み、出雲の太腿をつうっとなぞる。
人間ならざる神にしてはやけに生々しく、そして官能的なその仕草は不本意ながら出雲の下腹、認めたくはなかったが子宮の辺りをずくりと疼かせ、女の本能を半ば強引に目覚めさせていくのだ。

「お前の肌は、相変わらず冷たいな。身体を冷やすのは良くないぞ? 腹の子に障るだろう」
「ッ、私のお腹には誰もいないわよ!」
「今は、な。そのうちに、俺の子を宿す予定の腹だ。ほら、俺が温めてやろう」

太腿を辿っていたその指先はやがて小袖の合わせ目を無遠慮に緩め、細く白い出雲の腹部、臍の辺りを象るように撫でまわした。

「……っ、だから! やめて、って……。言ってるのにっ」
「それは、無理な相談だ。俺はお前を前にして、平静を保てるほど出来た男じゃない。いや、俺の我慢が利かないというよりも、お前が魔性の女だから――と言った方が適当だろうな」

自身の性欲の強さを他人の責任へ転換するとは、あまりにも傍若無人が過ぎるだろうと呆れずにはいられなかった。
だが、しかし。こうなってしまっては、もう遅い。今度こそ真っ当な用事で呼びつけられたのだと、このような深夜に呼び出されるがまま彼の領域に足を踏み入れた自分の甘さが招いた失態だ。
それならば、早く済ませてしまおうと半ば投げやりのような思いで出雲は眉間に深く皴を寄せながらその瞳を伏せたのだが、却って視界を閉ざす事により与えられる愛撫の鋭さと快楽の強さをより一層、刺激的に感じてしまう事実に気が付いたのは、数拍後の事であった。

「っ、あ……! ふ……ッ、ンン」

寛げられた小袖の奥から現れた二つの膨らみの突端、乳頭を舌先で転がしながら大神は袴の奥に潜り込ませたその熱っぽい指先で、早々に性器を探り当ててみせる。
陰核に指の腹を押し付けられたその途端、躍るようにして腰が跳ね上がる。実にみっともなく情けのない痴態だった。が、出雲が見せるその憐れな姿を大神は酷く気に入っている様子で、出雲が望まぬ快楽に身悶えるたび、その双眸を細めて満足げな表情を浮かべて楽し気に笑うのだ。

「お前の身体は、本当に敏感だな。清廉な巫女らしい、愛いで淫らな理想の肉体だ。実に啼かせがいがある……」

陰核を柔く擦られるたび、まるで子宮を直に掌握されているような疼きが生じ、いよいよ気が遠くなった。
性器の奥からどろりと愛液が溢れてくるのが分かる。同意を得ていようがいまいが、繰り広げられているこの情事に出雲が感じてしまっているというなによりの証拠が恨めしく居た堪れない。

「いつにも増して、濡れやすいな。本当はお前も、俺とこうなる事を期待しながら此処まで来たのではないか?」
「や、ァ……! ちが、違う……っ」
「いいや、何も違わない。お前の肉体は、俺に愛されることを悦んでいるんだ。そして、俺という存在を心底欲している」

あっという間に湿り気を帯びた膣の中へ、一本、二本と指先が無遠慮に、だがあくまで触れた粘膜の感触をそっと確かめるような慎重さで潜り込み、はしたない水音をたてながらそこを掻き回し始めた。

「相変わらず、締め付けの良い肉壺だ。ここに俺の魔羅を埋め込むと、より一層きつく締まるのも良い」
「あ、あァ……っ」
「ほら、脚が開き始めてるぞ。お前は、俺を受け入れたがっているんだ。そしていつかこの腹に命を宿し、俺たちは真の番となる」

その先に待つのは「永遠不滅の愛」であると甘く囁きながら、大神は怒張した陰茎にて出雲の濡れそぼった膣を貫き、絶妙な力加減を以て律動を開始した。

「だめ、あああっ」
「往生際の悪い女だ。俺を受け入れる身体はこんなにも悦んでいるのに、どうしてその唇は天邪鬼な事ばかりを言う?」

言いながら大神は身を屈め、快楽に喘ぐ出雲の唇へと深い口付けを再度贈る。呼吸さえ奪うような激しさを伴いつつも、相手の敏感な部分を的確に突くような技巧的なその口付けは、何度味わっても決して慣れることがなかった。不本意ながら唇を重ね合わせるたび、出雲は理性をいともたやすく焼き切られてしまう。
ある意味、挿入よりも苦手とする愛撫なのかもしれない。言葉を塞がれ、有無を言わせず口腔内を掻き回されるその感覚は、実に背徳めいていて理不尽にも興奮を煽るのだ。

「ん、ああ……っ! ふァ、ぅ……っ、ンン」
「善いだろう? そうやって素直に俺を受け入れ続けろ。そうすれば、お前はもっと美しく強い女になる」

耳朶に舌を絡めながら、大神は笑い、そして囁いた。

「ほら、此処が熱くなってきた。俺の子種を早く流し込んでくれと叫んでいるのが分かるだろう? いいぞ、今日こそお前が俺の子を孕むまで、たっぷりと注ぎ込んでやるとしよう」

瞬間、膣の一番深いところで熱が弾け、凄まじい悦楽と衝動が血流と共に全身の隅々まで行き渡るような強烈な感覚に苛まれる。
まるで不可思議な術でも掛けられてしまったかのような、奇妙な体感であった。
ああ、このままでは本当にこのろくでもない神の子を産み落とす羽目になってしまうのかもしれないと頭の片隅で嘆息しながら、出雲は薄目をそっと開き、憎き男の微笑を精一杯の虚勢を込めて睨み上げたのであった。