ヤンデレメイド×ふたなり王女(特殊性癖)

自然豊かなこの国の美しさに相応しく、無防備な背中を向けて沐浴に向かうイアルもまた、可憐で高潔な王女であった。
しかし、そんな彼女を今から悦楽で穢してしまおう――と。
密かに企むカスミは高ぶる鼓動を抑えきれず、興奮を押し殺すようにあくまで平静を装いながら自らの唇を強く噛む。

「……カスミ?」

泉のほとりにて彼女、イアルがほんの僅か、怪訝そうに眉を顰めてこちらをゆっくりと振り返った。
常であれば手早く衣服の着替えに手を貸すはずのカスミが背後に佇んだまま、沈黙している事を訝しんでいるのだろう。
穢れを知らない紅の双眸が、不安を湛えて揺れ動く。
彼女の無知が、カスミにとってはもはや愛しくて仕方がなかった。
すぐ傍まで迫る脅威、毒殺を目論む隣国からの魔女に心を許し、鏡幻龍の力を宿した豊満な裸体を無防備にも曝そうとしているその純粋さを、そのままの形で永遠に閉じ込めてしまいたいと願うようになったのはいつの頃からか。
異性を大いに魅了するであろう豊満な肉体を持ちながらも高潔さを失わない彼女の潔癖な振舞いと美しさはあまりにも眩しく、魅力的だった。

「ねえ、カスミ……」

殺してしまうくらいなら、いっそ自分のものにしてしまえばいい。
自らの強烈な煩悩を改めて自覚しながら、カスミはこちらに呼びかけるイアルの声に導かれるがまま、伸ばした指先で彼女の細く小さな顎を掬い上げる。

「……!」

細い腰を抱き寄せながら、なんの前触れもなく唇を重ねてみると、腕の中でイアルの全身がびくりと大げさに跳ね上がった。
僅かに開いた唇の隙間から、間髪を入れずに口腔内へ舌先を潜り込ませてみると、清廉な普段の彼女からは想像がつかないほどの熱を持った淫らな感覚へと辿り着き、カスミは思わずその口端を歪ませて密かにほくそ笑んでしまう。
穢れを知らないが故に、口付けだけで沸騰するその肉体は、快楽を知り尽くした夜伽の女たちよりも性的に思えてくる。

「ンン……ッ」

女の身でありながら、鏡幻龍の加護――男性器をその下肢に有する彼女であれば尚のこと、齎される悦楽に対して正直な反応を示すだろう。
それを確かめるべく、口付けを深く施しながら手を伸ばしてみると、ショーツ越しに触れた巫女の証は、早くも大きく膨れ上がっていた。

「だめ、カスミ……っ」

自身ですら扱い慣れない男性器を、あろうことか他人に辱められているという事実に耐えかねたのであろう。口付けの合間、呼吸を荒げながらイアルは抗議の声をあげたが、それに構わずカスミはショーツごと勃ち上がった熱を強く扱き上げた。

「んあ……!」

腕の中でイアルは細い腰を激しくくねらせながら、高潔な唇から甘い囀りを零し始める。
無防備な肉体は突如齎された悦楽を享受しきれないのか、衣服越しの愛撫にすら耐えられないらしく、早くも先走りを滴らせ打ち震えている様子が淫らな感触として掌へと伝わった。

「だめ、だめぇ、……ッ」
「駄目ではありません。イアル様、すべてをここに吐き出してください」
「だめよ、カスミ……ッ。汚穢が、このままでは汚穢が溢れてあなたの手も汚してしまうから……!」

だが、カスミは愛撫の手を止めなかった。
いま、イアルにこみ上げている感覚は排泄ではなく「射精」の兆しであろうことを見抜いていたからだ。
ショーツごと男根をきつく握り込み、加減もなく先端まで扱き上げると、イアルの顎が上を向き、白い背中が大きくしなる。
数拍後、びくびくと震える華奢な肢体。
他人の手どころか、自らの指先でもあまり触れたことがない男性器は初めて味わった性急な愛撫に早くも音をあげ、その先端から熱い迸りを放ち、ショーツの中をぐっしょりと濡らした。

「あ、ふ……」

彼女を支えていた腕の力を緩めると、快楽に屈したその身体はあっけなく地面の上に頽れ恍惚の表情を浮かべたまま、立ち上がる事もカスミを詰る事も出来ずにぼんやりとその視線を彷徨わせている。
――まだだ。まだ、物足りない。
カスミは興奮に震える自らの唇を舌先で湿らせた後、イアルの側へと膝をつき、今度は有無を言わせぬ強引な手つきで彼女の濡れたショーツを乱暴に取り払った。
現れたのは、精子を吐き出したばかりだというのに未だ熱を持ち、どくどくと脈打つ凶暴ささえ孕んだ赤黒いペニスであった。

「……」

それが姿を現した途端、もわりと鼻先を悪臭が擽る。

「嫌、こんな臭い……。なんて汚らしい……!」
「……構いません」
「嫌ぁっ! わたし、こんな臭いをさせて……。お願いよカスミ、どうかわたしの傍から離れて……っ」

後天的に宿す事となった性器の扱い方が分からなかったらしい彼女は、そこに触れるのを恐れて手入れを怠っていたのだ。
乳製品を腐らせたようなその匂いは、清廉な振舞いを見せるイアルの日常からはとても想像がつかないほどの凶悪さを孕んでカスミの鼻腔を刺激する。

「イアル様、今から男性器を清めさせて頂きます」
「ンっ、え……?」

快楽に潤んだイアルの瞳に、僅かな困惑が浮かび上がった。

「だめよ、カスミ……。もうそこには触れないで、お願いよ……」

勿論、聞く耳など持つはずもない。

(以下略)
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