男を取り合ってのキャットファイト

陽は既にとっぷりと暮れ、街灯もろくにない寂れた海岸の波打ち際は、深い闇に飲み込まれている。
だが、しかし。凛の正面に立ち尽くす彼女――恋敵である真琴の姿だけはハッキリと視認することが出来た。
その表情は険しく顰められていたものの、恐らく普段は溌溂とした、明るい性格なのであろう事が窺える利発的な顔立ちだった。

「……あなたが、小梢真琴さんですね」

眼前の顰め面を真っすぐと捉えたまま問いかけると、

「……ッ」

返答の代わりに浴びせられたのは、憎悪の籠る力一杯の平手打ちである。
打たれた頬が熱を持ち、ひりひりと鋭く痛い。
しかし、その衝撃に怯んだ姿を彼女の前で曝してしまうのはプライドが許さず、凜はほとんど反射的に右手を高く振り上げ、自らが受けた屈辱をそのまま返すように、真琴の左頬を掌で打つ。
二十年生きてきた中で、他人の顔を殴りつけたのはこれが初めてのことだった。同時に、ここまでの憎しみを抱いたのも、そして真正面からそれをぶつけようと思った事も、生まれて初めての経験である。

「私はあなたを許しません」

波風を立てずに生きてきた、平和な人生だった。
家族も、そして共に長い時を過ごしてきた友人たちも、気性穏やかな人間ばかりだった故に凜は今まで己の激情というものに触れた経験が一切なかった。
それがこんな事態に陥ってしまった原因は、ひとりの男にある。
同じ大学に通う彼、大石祐介と出逢ったのは今から二年ほど前のこと。
偶然か、それとも必然か。講義の際に隣席することが多くなり、同時に会話をする機会も徐々に増えていった。
そしていつしか――なにがきっかけであったのかは忘れてしまったが、男女の関係を結ぶまでに互いの距離は縮まっていたのだ。
初めて身体を拓いた時の事を、今でも鮮明に覚えている。
戸惑いと羞恥。痛みと悦楽。絶え間なくこみ上げる愛しさと、煩悩。未知なる刺激はまさに毒であり、禁断の果実と酷似している。
すべては凛の理性を、そして本能をも呑み込んでたちまち魅了し、盲目の恋へと溺れさせた。
だが、そこに水を差したのが、今まさに凜の目の前で憤怒の眼差しをぎらつかせている彼女、小梢真琴である。
どうやら彼が、真琴とも関係を持ってしまったらしい事を突き止めたのは今から三日ほど前のこと。同大学に通う彼女の素性を突き止め、連絡先を手に入れる作業はそれほど難しい事ではなかった。

「祐介君のことは、諦めてください」

きっぱりとそう言い放ったものの、真琴はこちらを睨み据えたまま、獰猛な小動物のように息を荒げて小さく呻き続けている。

「……それはこっちの台詞だってば」

その幼めな顔立ちを際立たせるような大きな瞳が、より一層、凶悪にぎらついた。

「被害者面してるけど、アンタはどう考えても遊ばれた側でしょ?」

にやりと僅かに吊り上がった口端から零れたのは、蔑みを含んだ嘲笑である。
呼び出された立場だというのに、自らの優位を信じて疑わない神経の図太さと自信過剰なその様が、凜をひどく苛つかせた。

「まさか、自分が本命だとか思ってる? バッカみたい!」

怒りのあまり、目元の繊細な筋肉が意図せずひくりと痙攣するように何度も跳ね上がる。

「その様子じゃ、男慣れはしてなさそうだし……。遊ばれてることに気付かなかったんだろうけど。だったらアタシが祐介の代わりに言ってあげる」

侮蔑の声は勢いを増し。怒涛の暴言が津波のように押し寄せた。

「アンタは所詮、都合の良い女なの! 祐介が必要としてるのはその身体だけで、彼女としての立場なんて求められてないんだからッ」

瞬間、怒りが沸騰する。
自身のどこにこれほどまでの凶暴性が潜んでいたのだろうと訝しむ暇もなく、凜は反射的に握りしめた拳を眼前の恋敵、真琴の左胸に思い切り叩きつけていた。

「……ッ、かは……」

大きくよろめき、彼女は波打ち際へと頽れる。
今度は顔ではなく、女性の象徴とも言える乳房を殴りつけた理由は恐らく、性的な意味での嫉妬であった。
背丈も、体格も、そして胸の大きさも、くびれの細さも、互いの間にそれほど大きな開きはない。なのに、なぜ自分だけに飽き足らず、彼は真琴までその腕に抱いたのか。私だけでは、満足させることが出来なかったのか。
途端に、目の前の肉体を破壊したい衝動に駆られてしまう。

「あなたさえ、居なければ……」

この女さえ、存在しなければ。

「祐介君はこれ以上、よそ見をしなくて済むはずです!」

憎しみを吐き出しながら未だ砂浜の上へと尻餅をついている真琴に向かって飛び掛かると、凜は今度、明るい色へと染め上げられた彼女の髪を引っ掴んだ。
すべて毟り取ってしまえば、きっと彼も目を覚ますだろう。
根拠のない推測に踊らされるがまま、掴んだ髪束をその頭皮ごと強く引っ張り上げる。
しかし、真琴の方も無抵抗のままでは終わらなかった。

「この……っ、ふざけないでよ!」

そんな怒号が耳に届いたと同時、凜の視界が反転する。
見下ろしていたはずの彼女の顔がいつの間にか、自らの頭上、星空越しに浮かび上がっていた。

「……っ、う、ああッ」

突如、下腹部に鈍い衝撃が叩きつけられる。
そこを狙ったのか、それとも偶然か。
振り上げられた真琴の拳は凛の子宮へと下されたのだ。
熱を持った鈍痛が、下腹全体にじわりと波及する。
手加減のない殴打は、もはや痛みを越えた衝撃であった。
どうすれば、彼女にも同じ感覚を味わわせてやれるだろうか。
いや、同等の痛みでは物足りない。反抗心をすっかり削ぎ落してしまえるような、鋭く凶悪な衝撃がいい。
しかし、これまでの人生の中で他人の肉体を痛めつけた経験など一度もない凜にはこれ以上、拳による殴打を含めた体術を繰り出して挑むという展開は難しいようにも思える。
もっと効果的に、もっとシンプルに。相手を傷つけられないものかと真琴の歪んだ表情を見上げていたその時、

「……!」

月明りに照らされ、何かがきらりと輝いた。
真琴の荒い呼吸に合わせてゆらゆらと揺れ動くそれは、彼女の耳たぶを飾るピアスの輝きである。
細いチェーンが真っすぐと垂れ下がり、その先端でスワロフスキーが星屑のように小さく瞬いている。
凜は反射的にその輝きへと手を伸ばし、揺れるその飾りごと、真琴の耳朶からピアスを引きちぎっていた。

「あああああッ!」

叫んだのは己か、それとも彼女の方か。
判別もつけられぬまま、互いの形勢は逆転する。
耳朶を引き裂かれた真琴は出血した左耳を庇うようにして押さえつつ、濡れた砂浜の上へともんどり打ちながら横転し、恐らく今までに味わったことがないであろう強烈な痛みに身悶えていた。
凛も膝から再び頽れると、自らの掌に残った肉片付きのピアスを愕然と見下ろし、肩を小さく震わせる。
人の身体というものは、なんて脆いものなのだろう。
これほど簡単に破壊できてしまうのか――。
瞬間、こみ上げたのは恐怖ではなく、愉悦と衝動であった。

「……殺してやる」

どうやら彼女の方も、凜と同じ情動の中にいるらしい。

「アンタなんか殺してやる!」

痛みによる悲鳴の合間、真琴は激烈に叫んだ。

「殺してやる、殺してやる……っ。絶対に許さない!」

薄闇の中、左耳を欠いた恋敵がゆっくりと立ち上がる。
彼女はでたらめに両腕を振り回しながら、こちらの頬を、胸を、腹を、長い爪を立てて衝動のままに殴打し続けた。
バランスを崩した凜は再び波打ち際へと頽れ、真琴のマウントを許してしまう。

「祐介と、いや……。祐介だけじゃない。二度と男の前で裸になれない体にしてやるんだから!」

言いながら彼女が加減もなく鷲掴んだのは、凛の左乳房であった。
ギリギリと、まるで根元の方からもぎ取ってしまわんばかりの勢いでねじり上げられ、あまりの痛みに眉根が険しく寄った。
こちらの腹の上にのしかかり、鬼の形相で女の象徴である胸の膨らみを掴み取ろうとするその様は、まるで野獣のようだった。
しかし、気圧されて堪るものかと凜も負けじと腕を伸ばすと、握り締めた拳で恥骨の辺りを力任せに殴打した。
何度も、何度も。そのうちに股から裂けて、真っ二つに身体が千切れてしまえばいいと願いながら執拗な攻撃を繰り返していたが、乳房を掴む彼女の指先は少しも怯む様子がない。
むしろ、痛みを受ければ受けるほどに怒りが増し、興奮していることから察するに打撃による感覚はもはや麻痺しているのかもしれない。

「こんなものアンタにはもう必要ない! これも、これも、全部アタシが壊してやるっ」

そんな絶叫と共に、左乳房を掴んでいた真琴の指先がふと上体から離れていった。
ようやく痛みに解放され、安堵の吐息を零したのも束の間、

「あああっ、ァ!」

あろうことか彼女は、自らの指先を――下着の上から強引に、凜の性器へと突き立てたのだ。

「ここさえ潰しちゃえば、もうアンタは女じゃなくなる。人の男を盗ろうって発想もなくなるだろうから……」

ずぶりと更に奥へと指先を沈めながら、真琴は歪んだ口端で弧を描く。

「そのお腹にあるもの全部、今から引きずり出してあげる!」

まさか、彼女は自らの手でこちらの子宮を掴み出すつもりなのだろうか。
物理的には不可能なことであるとは言え、今の彼女は何をしでかすか分からない。
目視は出来なかったが、恐らくそこは出血しているのだろう。
下着に染み込んだ冷たい奔流が、太腿を伝って足元へと流れ落ちていく不愉快な感覚を肌で悟る。
男性器に比べたら大きさや太さはそれほどでもないというのに、この痛みは、衝撃は、なんなのだろう。長く伸びた爪の先で粘膜を傷つけられてしまったのだろうか。それとも、祐介以外の男を知らないこの肉体は異物を拒絶しているのか。
もし、思惑通りに性器が破壊されてしまったら――自分はもう二度と、祐介には愛してもらえないだろう。
こみ上げる絶望と、恐怖と、憤怒。
そうはさせてなるものかと、凛も真琴のスカートへとその手を潜り込ませると、握りしめたままの拳、鋭く尖らせた関節の先が当たるように彼女の膣口を可能な限りの力を込めて突き上げた。
破壊衝動に駆られるまま、何度も何度も、執拗に。
その入り口が、醜く潰れ裂けてしまえばいい。異性の熱どころか、指先さえも受け入れられない程に、ぐずぐずと溶けてなくなってしまえと胸中で吐き捨てながら、凜は衝動のままに拳を振るい、柔い膣を暴力で蹂躙し続けた。

「……ッ、ぐ!」

瞬間、ずるりと真琴の指先が己の性器から吐き出されていく感覚を覚える。
さすがに怯んだらしいが、憎悪に滾る瞳の鋭さは失われぬまま、恨めしげな視線でこちらを見下ろしていた。
そして今度は奪われた自らの耳朶を取り戻すかの如く、真琴は伸ばした指先で凛の左耳を掴み、それを引きちぎらんばかりの勢いで強く引く。

「……ッ、離して、ください!」

耳が欠けては、あの人の声が聞こえない。愛の囁きが届かない。
目の前の女にはなに一つ奪われてなるものかと凛もまた握り込んでいた肉片とピアスを波打ち際へと放り出し、その腕で眼前の細い首、頸動脈の辺りを強く掴んだ。
ぎりぎりと締め上げれば、掌に生々しい息の詰まる感触が伝わってくる。
大きな瞳がより大きく見開かれ、この薄明りの中だというのに瞳孔が不気味に広がる様が、何故だかはっきりと見て取ることが出来た。
その形相から、凜は悟る。
このまま指先に力を籠め続ければ、目の前の命は失われるのだと。
恐らく真琴本人もそれを察したのだろう、苦しげに呻きながらも手を伸ばし、こちらの首筋にも爪を立てて同じく気管を締め上げてくる。
どちらが先に事切れるか。
酸素が脳に行き届かなくなった為か、明滅する視界の中、それでも凜は想い人を奪われたくない一心で掴んだ首筋を離さなかった。
早く死ね、早く死ね、早く死ね、早く死ね!
呪詛の如く胸の内で残酷な言葉を反芻しながらギリギリとそこを締め上げ続けた、その時。
強く締め上げ続けることに疲れ、力を緩めてしまった隙を突いて真琴の肉体が凜の腕の中からするりと逃れた。

「いい加減にしてよ! どうしてさっさと死なないのっ」

轟くは、獣の咆哮。
嫉妬に狂った女などではない。それは、理性を失った怪物であった。
再び彼女にマウントを取られる事は許されない。今度こそ、殺されてしまうだろう。
なにか対抗手段はないかと視線を彷徨わせたその時、足元に転がる流木が視界の端に留まった。
凜はそれを咄嗟に拾い上げると、

「死ぬべきなのは、あなたの方です……っ」

こちらに飛び掛かろうとする獣めがけて突き立てた。

「あ……ッ」

決してそこを狙ったわけではなかった。
だが、ささくれた流木の切っ先はよりにもよって彼女の下腹部、散々と殴打した子宮を残酷にも串刺していたのだ。
瞬間、彼女の肢体は波の中へと頽れる。
捲れ上がったワンピースの裾あたりから、どろりと零れだしているのは鮮血だろうか。
赤黒いそれが流れ出せば出すほどに、見開かれた双眸の中、瞳孔がより一層、大きく開き、彼女の肉体に襲い掛かった痛みや恐怖がどれほど致命的であったのか、すべてを曝け出していた。

「う、ァ……」

ぴくりと時折痙攣を繰り返すその肉体から魂が失われたのかどうか、判別のつかなかった凜は堰き止められていたはずの酸素が怒涛の勢いで喉へとなだれ込む様に狼狽えむせ込みながらも真琴の上へと覆い被さり、

「もう二度と、祐介君には近づかないでください……っ」

先ほどの屈辱を返すように、そしてとどめを刺す為に、凜は振り上げた拳を力任せに彼女の下腹部、恐らくは何度も祐介の熱を受け入れたのであろう、子宮の辺りへと振り下ろした。
それだけでは飽き足らず、再び流木を握り直すと彼女の四肢を跨ぎ、既に刺し貫いた傷跡めがけ、繰り返し何度も切先を突き立てる。
もっともっと、破壊しなければ。原型を留めないほどに、それがただの肉塊と化すまでは、決して手を緩めるわけにはいかなかった。
流木がぽっかりと穴の開いた傷口へと沈むたび、静かな波音に紛れ、ぐちゃりと不愉快極まりない脂肪が潰れるような水音が浜辺に響き渡る。

「っ、はぁ……。はァ……っ」

肩で大きく息を繰り返しながら、凜は波打ち際に横たわったまま動かない華奢な肢体に目を凝らす。
痙攣は、もう止んでいた。
瞳は大きく見開かれたままであったが、恐らくはもう、何も映してなどいない。
醜く歪んだ表情で虚空を見つめる彼女の魂は、こちらの望んだ通り、この地上から消え去ったのだろう。

「これで祐介君は、私の……。私だけの、ものです」

そう呟いた瞬間、爪先から沸き起こった震えは人を殺してしまったという罪悪感から来たものなのか、それとも一人の男をこれから独占出来るという優越感なのか。
今となっては、どちらでも良かった。
寄せては返す波の中でどす黒い体液を垂れ流し続ける真琴をそこに残したまま凜は踵を返し、ふらふらとした足取りで愛しい男の自宅を目指す事にした。



「……どうしたの、これ」

シーツの上、一糸纏わぬ姿となった凜の肢体。喉元や左胸、下腹に散見する青痣を目撃した祐介は、心配げな声音で尋ねてくる。
ろくな手当も施さないまま、例の浜辺から真っすぐにここを尋ねたので全身は傷だらけのままであった。
しかし、一刻も早く凜は自らの体内に――恋敵に潰されかけた子宮の中に、彼を迎え入れたかったのだ。

「大丈夫です、だから……。はやく、ください」

腑に落ちない表情を浮かべてはいたものの、据え膳を逃さぬ男は促されるまま、早くもしとどに濡れた凜の膣内へ、滾る熱をゆっくりと沈め、突き立てていく。

「……っ、あァ……ッ」

力任せに殴打されたその場所は、まるで異物を拒むようにズキリと痛んだが、凜は唇を強く噛み締める事でその苦痛をどうにか耐え忍んだ。
彼の熱は、想いは、これですべて私の物だ。
苦しげに眉根を寄せながらも、凜はその口元を微かに綻ばせ、極上の優越に浸りつつ律動に揺さぶられる。

「祐介くん……っ」

恐らく未だ波打ち際に横たわったままでいるに違いない真琴の憐れな姿が脳裏を過るたび、濡れそぼった膣の入り口が無意識に彼の熱を締め付けた。

「もっと、して……」

痛みを伴う衝撃が傷ついた子宮へと刻まれるごとに膨らんでいく悦びと充実感。
震える両腕を回し、広い背中を抱き寄せることでそれは何倍にも膨張した。

「ホントにどうしちゃったの、凛ちゃん」

腰を振りながら、ふと彼が耳元で小さく笑う。

「今日、すごく感じてるね。何かイイことでもあった?」

瞬間、ぴくりと爪先が跳ね上がり、凜は脈絡のない絶頂を迎えた。

「あ、は……ッ」

痛みと快楽の境界線が曖昧に掠れ、綯い交ぜとなる不思議な感覚。
もはや肌の上を吐息が掠めるだけで、頂へと昇ることが出来そうだった。

「んっ、今日はちょっと、おかしいかも……」

初めて受けた憎悪と、下した暴力。
それらがどうにも凛の五感を興奮させ、そして、その末に齎された恋敵の死が、どうしようもなく劣情を煽り続けている。

「祐介君、もっと……。もっと、来て」

この興奮を治める方法は、恐らくただ一つ。
心身共に疲れ果てるまで、愛しい男に自分のすべてを蹂躙してもらうことだ。

「ねえ、祐介君」
「……ん?」
「祐介君はもう、私のものです。誰にも渡しません」

 万が一、二人の間に割って入ろうとする不届き者が再び現れたその時は――。

「……大好きです、祐介君。どうか、私だけを見ていて下さい」

凜は未だ自らの性器に沈んだままである男の熱を意図的に強く締め付けながら彼の首へと両腕を回し、甘い囀りを零し続けたのであった。