甘々前提の受けのモブ姦(近親相姦要素有)

※サンプル公開にあたり、キャラクター名や特定の固有名詞を伏字に置換しております。
(前略)

それから更に十数年の時を経た現在、〇〇はあの頃と同じ寂れた漁村の砂浜にて、時の流れを微塵も感じさせぬ不変の天体を今日も飽きずに眺めている。
時間というものは残酷だ。すべてを風化させ、その名残をもいつしか消し去り、やがて空虚へと還っていく。だが、見上げた先に広がる世界は、少なくとも人間の肉眼で確認出来る限りではなんら変わりがないように見えた。
恐らくは変化しているのだろう。だが、気付いていない。気付ける力を持ち合わせていないだけなのだ。相変わらず手の届かぬ未知はそこに果てしなく広がり、その存在意義も、誕生の意味も誇示せぬまま、人々を空想に駆り立てている。
〇〇は幼少の時分、星空の元で密かに誓った通り、未知なるもののすべてを解明すべく研究に没頭していた。
生憎と専門は天体ではなく、現を脅かす悪魔の生体、及び個々の能力に関するものではあったものの、それはそれでなかなか愉快なものである。自身が□□の能力を有しているという身の上も相俟ってか、性に合った研究材料であったのだ。
日々の発見、試行錯誤は〇〇の中から「退屈」という概念を奪い去るほどに刺激的であり、充実したものだった。
時には寝食を忘れ、何日も自宅へと戻らない事も珍しくない。それだけ夢中になれるもの、心身を捧げられるものを見つけられたのは、恐らく――いや、確実に。××のお節介が原因だろう。
×××、つくづく妙な男である。他人の事ばかりを気に掛けて、自身の内に恐らく隠し持っているであろう野望も欲望も他人には決して悟らせることのない、自制心の塊と称するに相応しい軍人らしかぬ性根の持ち主であった。
正直なところ、幼少の頃から傍に居たにも関わらず、彼について知っている事と言えば味の好みと本人から聞かされた趣味、自らが所属する軍の上層部に対して嫌悪感を抱いているという蟠りくらいのものだ。
幼少の頃はそんな彼の親切を疎ましく感じていた事もある。故に邪険な振る舞いを見せた経験も少なくはないが、××は実に根気強く、そして我慢強かった。
彼に子息が居たならば、恐らく良い父親になったであろう。妻と死別してからは再婚をする事もなく男鰥を続けているようだが、実に勿体がないと〇〇は思う。
だが、同時にこうも考えてしまうのだ。××に実子が居た場合、果たして彼は自分に対してこれほどまでに世話を焼いてくれただろうか、と。

「……らしくもない感傷だ」

果てのない水平線へと遠く視線を向けながら、〇〇はひとり微苦笑を零し、考えを巡らせたところで何の意味も持たない過去への仮説を払拭する。
自然というものは偉大であり、不可思議だ。それを眺めているうち、常であれば頭に過ぎりもしない奇妙な感傷につい浸ってしまうのは何故なのか。
特に広大な海、そしてどこまでも続く夜空に関しては顕著である。
途方もなく広がるその存在感と自らを無意識のうちに対比することで、己がこの世にとってどれほど瑣末な微粒子であるかを思い知らされるのだ。
故に〇〇は、杞憂に飲み込まれる。生命の意味や、どこまで続くかも分からない時の流れ、人間の存在意義などに至るあまりにも壮大な疑問と同時に湧き出る、実にくだらない些細な感傷。
一見、無意味にも思えるこの情緒が人間として生きるに置いては欠かせないものであると××に教わったそれ以来、どうしてだろう。
決して愉快な想いばかりではないというのに、ほんの僅かだが世界が、そして己の視界が、鮮やかに色付いたような気がしたのだ。
圧倒的な喜悦と、憂い。物悲しさと、胸を打つような情熱の焔。
相反するはずの感情が綯い交ぜとなる瞬間は、何度味わっても慣れないものである。故に〇〇は時折こうして、胸の内を掻き乱されそうになるたび、懐かしいこの場所を訪れているのかもしれない。
そろそろ、丑の刻を迎える頃だろうか。少々、長居が過ぎてしまったなと踵を返そうとした、その時。
じゃり、と粗い砂を踏み荒らす不躾な足音を耳にした。それも、一人や二人ではない。
このような夜更けに、大人数で人気のない漁村に現れる輩など、どうせ碌な人間ではないと溜息混じりに振り返れば、そこには案の定、碌でもない風体の男たちと、見知った顔をひとつ見つけた。
下卑た笑いを口元に張り付けたその男へと微かに滲む、父親の面影が忌々しい。彼は△△家の当主になりそこねた、□□師としては三下の――と、〇〇は一方的に見下している――元当主であった父の兄、要する〇〇の叔父にあたる男だ。

「夕涼みをするにしては、随分と遅いな。お前らしい」

言葉の端々に浮かんだ鋭い棘を、彼は隠そうともしていない。直接的な雑言を以ってしてもこちらを深く傷つけられないと自覚しているからだろう。どこまでも愚かで、立場の弱い男だった。

「貴殿こそ、このような夜更けに手下をぞろぞろと引き連れて寂れた漁村に何用かな」

密漁するほどに△△家は落ちぶれたかと嘯けば、男の頬があからさまに怒りで強張る。口達者というわけでもないのに、言葉で他人を貶めようとは実に浅はかだと軽蔑せずにはいられない。
だが、しかし。男の憤怒はすぐさま嘲笑へとすり替わった。背後に控えている輩たちも同様、なにやら良くない表情を浮かべながら〇〇の全身をまるで品定めするかの如く視線を好きずきに這わせている。
瞬間、胸を過った予感に思わず総毛立つ。まさか、と不吉な兆しを払拭しようとしたものの、己の勘が間違いではなかったという事実を早々に思い知ることとなる。

「お前の心を折る為には、どうしたら良いのか考えたよ」

躙り寄る男たちから匂い立つのは、思わず鼻を摘みたくなるほど下品な劣情だった。よくよく視線を凝らしてみると、既に着物の合わせ目から愚息を取り出し、その手で扱いている者の姿まである。

「痛みというものには、どうしても耐性が出来る。だが、快楽に抗える人間はそうそういない――だろう?」

つくづく浅はかな発想であった。苦痛で歪められぬのなら、悦楽を以ってして服従を試みようという魂胆らしい。
あまりにくだらぬ企みに、思わず〇〇はにやりと口端を歪め、せせら嗤った。

「ほう、貴殿らにそれほどの手管があるとも思えんが……。実に楽しみだ」

動じるどころか、嫌悪すら垣間見えないこちらの態度が気に食わなかったのか、浮かべられていたはずの嘲笑は再び怒りへとすり替わる。男の双眸に宿る憎悪の焔は、人間が宿すにしてはあまりにも邪悪であり、程度が低い。
由緒正しき□□の五家が聞いて呆れるな、と△△家当主の立場ながら、どこか自身を取り巻く生い立ちを他人事のように俯瞰で見下しつつ、〇〇は男たちの輪を押し退けて帰路に着こうと試みる。
だが、背後から伸びてきた腕に肩を引かれたかと思うと、突如、視界がぐるりと反転した。
気味の悪いにやけ面が並んだ視界の向こう側に広がる、星屑を零した無限の天体。そして、強かに打ち付けた背に感じる粗い砂利混じりの砂の粒たち。そこで初めて〇〇は自らが、あろうことか浜の上に組み敷かれてしまったという事実を知る。
叔父であるこの男は浮薄で頭の悪い人間だったが、悪知恵はそれなりに働くことを失念してしまっていた。恐らくは安銭で雇ったのであろう不逞の輩どもを伴いここまで押しかけてきたのは、力で押し切る為に違いない。綿密な策を用いて陥れることを早々に諦め、実力行使に舵を切るとは単細胞にも程があると思わず胸中にて毒づかずにはいられなかった。だが、しかし。結果的に人数で押し切るというその単純明快な攻略が、今の〇〇にとって一番効果的であるのもまた事実なのだ。
元々の頭脳や発想、繰り出される口論。そして、□□師としての能力は言うまでもなく、〇〇に敵う者はそうそう居ない。が、体力的な面や暴力に関しては並以下に自身が位置されることを、認めたくはなかったが自覚は持っている故、余裕の表情を未だ取り繕ってはいたものの、さてどうしたものかと半ばうんざりとした思いで〇〇は逡巡する。
勿論、このまま素直に素肌を晒すつもりなど微塵もない。だが、物量で真正面からぶつかってきた相手にどう対処するべきか――。
導き出された解は実に、単純明快なものであった。敵おうが敵うまいが、こちらも力を用いて抗うしかない。

「……穢らわしい手で私に触れるのは御遠慮頂こう。さもなくば、その愚かで役立たずの棒切れたちを斬り落とすが構わないだろうか」

〇〇から繰り出される嫌味の数々にその神経を逆撫でされるらしい叔父の貌には相変わらず苦々しい表情が浮かべられていたものの、自身を砂浜へと組み敷いた輩どもは投げかけられた攻撃的な言葉を物ともせず、式服の合わせ目を寛げようと四方八方から醜い腕を無遠慮に伸ばしてくるではないか。

「どうやら、こちらの話も通じぬほど程度の低い連中らしい……。全く、一応は△△の血を引く□□の人間ともあろう貴殿がこのような輩を身内に嗾けるとは、先代がこの為体を知れば嘸かし嘆くだろうね。彼の無念は計り知れないものになる」

瞬間、有象無象の腕の中から、明確な殺意の籠った指先が〇〇の喉を目掛けて伸びてくる。避ける暇もなく捕らえられた薄皮へと、容赦なく沈む爪の感触はあまりにも鋭く、刺々しい。
確証があったわけではない。だが、先代当主を眼前の男が亡き者にしたという俗説が真である事を彼は自身の態度によって皮肉にも証明してしまっている。
生憎と〇〇は肉親の仇を取ろうなどという気概など持ち合わせていなかった故、今更真実が明るみに出たところでどうするつもりもない。が、目の前の男を揺さぶる材料くらいにはなったようである。

「お前も何れは父親と同じ運命を辿る事になるだろう。己の実力を過信した末、悪魔の餌食となる惨めな最期を、な」

鼻先が触れ合う程に顔を寄せながら、彼は続けた。

「だが、それだけでは最早こちらの気は済まない。お前には出来るだけ、生きている間に惨たらしい経験をさせてやりたいんだ。兄の忘れ形見に対する親心というやつだよ」

憤怒と嘲笑、憎悪に劣情。ありとあらゆる醜い感情で歪められた男の表情は、世に蔓延る悪魔のそれと大差がなかった。
人間という体裁を保ったまま、これほどの邪悪に染まることが出来るのかと半ば感心を覚えつつも〇〇は自身の首筋に絡んだ五指をどうにか引き剥がし、辛うじて自由の効く膝を立て、覆い被さらんとする男の下腹を思い切り蹴り上げる。
だが、その反発が合図となり、四方から腕が、唇が、陰茎が、足裏が、様々な場所から伸びては〇〇の肢体に絡みつき、自由と尊厳を踏み躙るかの如く暴力的な愛撫を開始した。
ほとんど引き千切るようにして肌蹴られた胸元に、顔が二つほど埋められる。右と左に、ひとつずつ。彼らの目当てはどうやら外気に曝された乳頭のようで、分厚い唇はなんの躊躇もなく尖ったその場所へと赤ん坊じみた所作で乱暴に吸い付いた。

「……っ、はしたない連中だ」

気丈に吐き捨てた〇〇であったが、生温かい粘膜にそこを包まれた瞬間、痺れるような感覚が脊髄を駆け上がった為に思わず声を詰まらせてしまう。
目敏い連中は、そんなこちらの些細な変化を見逃さなかったらしい。調子づいた男の一人が着物の裾から半ば勃ち上がった欲望を手にしたまま、あろうことかそれを〇〇の唇へと押し付けてきたのである。
歯を食いしばって侵入を阻もうとしたものの、乳頭を力一杯に食まれたその時、閉ざした唇が迂闊にも脱力し、解けてしまった。
そんな隙をついて口内へと押し込まれた陰茎は、あまりにも熱く、あまりにも猛々しい。硬く膨らんだ亀頭の先が上顎の粘膜を強引に擦ったその瞬間、強烈な吐き気と奇妙な疼きが込み上げた。

「……ッ、く!」

気は進まなかったが、こうする他ないと〇〇は意を決し、口腔内を蹂躙しようと更なる熱を宿したその異物へと犬歯をずぶりと沈めることでどうにかそれを吐き出した。
静寂を切り裂くように、己の愚息を噛みつかれた輩の絶叫が夜半過ぎのひんやりとした空気を震わせる。
途端に方々から上がる怒号と、囃し立てるような歓声。詰りと誹り、新たに伸びてくる腕や性器の数々――。
神秘の星々が瞬く空の下、繰り広げられていたのは紛うことなき地獄だった。

「なに、口淫が出来ないのであれば――こちらを使うまでだ」

言いながら血の繋がった男が触れたその場所は、本来であれば排泄の為に使用されるはずの肉体器官である。
強姦であるにも関わらず、一体なんの慈悲か。それとも、不慣れで窮屈なそこへ自身を前置きなく捻じ込んだとしても善い思いは出来ないと踏んだのか。先走りか何かだろう、どろりとした粘液を纏った男の指先が少しずつ窄みの内側へ沈んでいくのが分かった。
下手に力を込め、反発をしては恐らく余計な苦痛を与えられかねない、と。反射的にそう判断した〇〇は意図的に下肢を脱力する事で不埒な指先を後腔へと無抵抗に受け入れる代わり、不用意な衝撃を幾分か和らげることに辛うじて成功する。

「ン、は……っ」
「おや、いやにすんなりと受け入れるんだな。もしや、既に男を知った卑しい身体だったか……。だとしたら、今宵はお前を悦ばせるだけになるのかもしれぬな」

こちらの思惑など知る由もない男は柔く緩い内壁を悪戯に指先で掻き回しながら、勝ち誇ったように吐き捨てた。

「もしや、それがお前の処世術か? 口の利き方も、世の理も知らないような小童が△△家の当主と軍の研究施設指揮を任されるなんざ、可笑しな話だとは思っていたが……。こういう事だったとはな」

勿論、謂れのない中傷である。だが、わざわざ否定してやるつもりもない。

「……そう思うのであれば、貴殿もその肉体を△△家や軍の上層部に差し出すべきだったな。身体一つで物事を意のままに操れるほどに容易い世の中だと言うのなら」

すると男は直腸を弄びながら、左手で〇〇の頬を強く打った。

「減らず口を……。己の置かれた立場も顧みず、愚かな男だ」

ひりひりとした鋭く、痺れるような痛みが皮膚に生じたものの、心が挫けることはない。むしろ、不可抗力で生じてしまいそうになる悦楽から気が逸れて幾分か精神的負担が和らぐ感覚さえあった。
苦痛に耐性を持っている方でもなかったが、このような輩たちの前ではしたない姿を晒しながら乱れるよりはまだ傷も浅く済むだろう。
――が、しかし。そんな〇〇の思惑は、程なくして瓦解する事となった。
ぐり、と節くれだった指先が膀胱の付近を押し上げたその瞬間、今までに味わったことのない強烈な感覚が下腹を突き上げたのだ。

「……っ、あァ……!」

思わず零れたのは、紛れもない嬌声だった。
途端、苛立っていたはずの男の表情が、だらしなく下品に緩みだす。

「ふん、小難しい言葉ばかりを並び立てて偉そうに踏ん反り返っているお前も、やはり快楽には勝てないようだな。いいだろう、売女に相応しい扱いをしてやる。存分に尻を振って、悦ばせてくれよ」

硬いしこりのようなその場所――恐らくは前立腺と呼ばれるそこを執拗に小突かれ、〇〇はその瞳を見開いたまま、唇を戦慄かせていた。
押し寄せる淫らな熱と、痺れ。否、それはほとんど衝撃である。
それも、雄として真っ当に生きているならば、恐らくは一生味わう機会は訪れないだろう、危険な快楽――。
未知なる感覚を、新たなる衝動を、よりにもよってこんな男に発見されるとは、あまりにも屈辱的だった。

「ァ、は……っ」

瞬間、なぜか脳裏を××の微笑が横切った。
新しい感情、体温、知識、情緒――それらを初めて教わるのであれば、彼でなくてはならないはずだ、と。明確な理由も根拠もない拘りが胸の内から熱く溢れ出して止まらない。
どうして、この肌をなぞる指先や舌が彼のものではないのだろう。
逃れようのない劣情に理性を乱されつつ、ぼんやりと考えながら〇〇はその目をふと見張った。
――自分は××と、肉体関係を結びたかったのだろうか。
分からない。少なくとも彼に対する嫌悪はなく、むしろ周りの人間から慕われる事などほとんどない偏屈な自身にとって、不快感のない唯一の友人とも呼べる人物である。だが、それは果たして本当に友情だろうか。
輩どもに組み敷かれながら、その存在を求めるようにして無意識に思い出す男への想いは、もしかすると恋慕に至るほどの熱を孕んでいるのではないか。
〇〇は思案し、首を緩く横に振る。理不尽な悦楽に悶えるかの如く、適切な表現を見つけられぬまま胸に湧き出た不可解な淡い感情を否定するように。

「そろそろ頃合いか。どうせなら、貴様が白目を剥くほどにここを緩ませてやりたかったが……。生憎とこのような寂れた場所に長居が出来るほど無神経な性質ではないのでね」

ゆっくりと収縮を繰り返す窄みを押し当てられたのは、灼熱だった。それが何か、わざわざ視覚で確かめるまでもない。よりにもよって血を分けた男の欲望が、この身に押し当てられているのだ。

「……っ、まったく、とんだ親心だ。甥の内臓をその汚らわしい肉棒で掻き回そうなどという発想には、常人ならば至らないだろうからね」
「なんとでも言え。どう屁理屈を捏ねたところで……。所詮、お前は淫売だ」

刹那、穿たれた灼熱はいとも容易く〇〇の直腸を焼き貫いた。
肺に取り込まれていたはずの酸素が突如、跡形もなく蒸発してしまったような息苦しさを覚えて唇を開けば、何処の誰かも分からない輩の膨らんだ亀頭が再び図々しくも押し当てられる。
だが、今度はそれに犬歯を立てることが叶わなかった。下顎を閉じようとするその度に激しい律動が繰り出され、無意識のうちに唇や喉がどうしても開いてしまうのだ。

「ぁ、ぐ……! う、ンン……っ」

前立腺と上顎、不覚にも〇〇が快楽を覚えてしまった性感帯を男たちは執拗に自らの性器で擦り上げ、穿ち、蹂躙を繰り返す。
他の男たちはというと、口々に卑猥な言葉を投げかけては様々な感覚と情緒に掻き乱される〇〇を詰り、時折その手を伸ばしては外気に曝されたままでいる乳頭や臍などを気まぐれに擽っていた。
恥辱というものを味わわされながら、与えられる苦痛と不本意な悦楽が入り混じる奇妙な感覚に溺れ、解放を求めるように小さく喘ぐ。
痛い、苦しい、熱い、痺れる――。気持ちが悪い、気持ちが善い。
甘くて、苦い。思考と肉体が徐々に剥離を始め、〇〇はとうとうその瞼を伏せ、暗闇を求めてしまった。

「……貴様の腹に、子種を注いでやろう。私だけではなく、この場に控えた男たち全員分のな」

絶頂が近いのだろうか、刻まれる律動がその速度と勢いを増す。
瞬間、腹の中で嫌な熱が爆ぜるのを感じた。
摩擦によって爛れ蠢く直腸の中、どくりと何度も脈打ちながら吐き出されるその奔流の正体は、確かめるまでもない。甥の肉体を組み敷き暴いた倫理なき男から放たれた精液である。
穢らわしい、気色が悪い。だが、そんな嫌悪感に入り混じる背徳が奇妙な痺れを伴って〇〇の背筋を撫で上げた。まるでそれは劣情を煽るように、纏わりつくかの如く、ぞろりと滑る。
湧き上がる肉欲の衝動が疎ましくて仕方がない。
知らず知らず、動悸が激しくなっていくのが分かった。そしてその高鳴る鼓動が、恐怖や焦燥が齎したものではないという事実にも、薄々ながら〇〇は気が付いている。

「なんだ、注ぎ足りなかったか? 物欲しそうな貌だ」

そんな揶揄いの言葉と同時、どこからか何者かの精液が迸り、〇〇の頬や胸元、果ては喉の奥までをも容赦なく汚し、表面から内側に至るまでしとどに濡らした。
衣服などを汚したそれは、恐らくは自らの手でその性器を慰めていた輩たちのものだろう。
揃いも揃って、女のような丸みもなければ碌な膨らみも持たない平坦な肉体によくも興奮出来るなと笑い飛ばしてやりたかったが、出来なかった。

「……ッ、は……う……」

快楽というものは、残酷だ。心など置き去りにして、肉体を一方的に支配してしまうのだから。気持ちが伴わずとも煽られる煩悩が恨めしい。
口を開けばみっともない嬌声が絶え間なく溢れてしまいそうで、〇〇は自らの下唇を血が滲むほどに強く噛み締めることで次々と押し寄せる苦痛と悦楽をやり過ごそうと身構えた、その時だった。


(以下略)
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