縄師の狐娘に尋問の末、首を絞めて殺される。

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あらあら、随分と可愛いネズミさんが潜り込んだのね。
貴方、お名前は……? どこから送り込まれた間者なのかしら。
そう、答える気がないの。殊勝な心掛けですわね。簡単に自らの主(あるじ)を売るような輩には務まらない任務ですもの。
だからと言って、こちらも引き下がるわけにはいきません。
わたくしも自身の任務を全うしなければ、お館様に叱られてしまいますわ。
さあ、始めましょう。楽しい夜になれば良いのですけれど……。


貴方の肌、とても白いのね。
縄の痕がこんなにもくっきりと映えて……。
更に美しく彩って差し上げましょうか?
手首、足首、その次はやはり……。喉、かしら。
貴方の心地良い呻き声が聴き苦しくなってしまうのは残念ですけれど、どのみち言葉を発しない喉なんて必要ないですものね。
声がなくとも、尋問は続けられますから。そうね、耳と指、片目のどちらかさえ残ってさえいれば情報を引き出すには十分かしら。


あら、どうしたの? 喉を締められるのは嫌?
大丈夫よ、わたくしは加減を熟知しているの。
決して貴方の命を奪ったりなんてしません。
ただし、その胸に抱えた秘密を全て打ち明けてくれるまで、この戯れはずっと続きますわよ。
もし貴方が望むのであれば、永遠に……。ここでこうしているのも悪くありませんわね。もっとも、途中で正気を失ってしまうでしょうけれど。苦しいのは嫌でしょう?


ほら、唇を開いて……。お名前、言えるかしら。
御国はどこなの? 主は、誰?
大丈夫よ、ゆっくりで。どれだけ時間が掛かってもいいわ。
わたくしは、貴方の全てを知りたいの。どこで生まれ、どう育ったのか、貴方の痛み、悦び、哀しみ、怒り――ぜんぶぜんぶ、教えてちょうだい。余さず受け止めてあげるから。


……そう、いい子ね。ふふ、もう隠し事はなくなったのかしら。
じゃあ、御褒美に……。この赤縄を、貴方に巻いて差し上げましょう。ああ、いいわ……。貴方の肌に、とっても似合ってる。
もっともっと、食い込ませてあげるわね。
ほら、どんどん赤くなってきた。このまま締め続けたら、どんな色を見せてくれるのかしら。
あらあら、涙なんて流して……。怖がることないのよ。貴方が望めば、今すぐにでもラクにしてあげる。
苦しみの先に待っているのは、解放なの。苦痛から解き放たれる瞬間、貴方は極上の快楽に酔い痴れたまま、常世に旅立てるわ。
楽しませてくれてありがとう。それじゃあ、さようなら。